夕ご飯をお家で食べる中学受験

シグマTECH

「リミットをつくらない ~中学受験を終えて~」

Kくんのお母さま

2021年2月5日午後3時40分頃
「つながった」
「あった」
「8番あるよ、見て」
 受験番号「8」を見つけた瞬間、私は息子に伝えた。
 第一志望の筑波大附属駒場中学の合格発表は、今年からホームページにパスワードを入力して確認する方法になった。学校側も初めてのことだったためか、発表時刻から30分経ってもアクセスできない状況が続いていた。発表掲示の時間が2時間しかないため、余計に焦った。受験番号が一桁なので、発表のページを開けばすぐに合格か不合格かわかるな、と思いながら、何度も何度もアクセスを試みた。

 番号を見つけた瞬間は緊張が解け、うれしい気持ちでいっぱいになった。これまでの受験校でも、息子の受験番号を見つけるまで毎回緊張し、番号を見つけると「よかった」と安堵する、これを繰り返していた。これまですべての受験校で合格していたが、今回は受験校最後の発表、かつ第一志望校であったため、「次は落ちるのではないか」「こんないい結果が続くはずはない」と悪い結果を想像し、いままでで一番緊張した。合格したことがわかり、塾や学校に結果を報告し、お世話になった方々にも喜んでいただき、さまざまな方々に支えられて志望校に進学できることになったのだと感じた。こうして私たち親子の中学受験は終わった。

 受験を通して、危機を感じたのは、「COVID-19の流行」と「秋」であった。
 COVID-19の流行は誰しも予測しなかったことであり、ここまで長期間、生活が変化するとは思ってもいなかった。2020年2月に突然、学校が休校になり、塾も通塾できなくなった。受験勉強の進行はどうなるのか、不安になった。しかし、シグマTECHではすでにオンラインで個別指導を受けており、オンラインで受講する機材も心構えもあったため、スムーズにオンライン授業に切り替えられ、受験勉強の空白期間がなかった。これはコロナ禍の受験において強味であったと思う。また、子どもたち同士は毎月行われる日曜探究講座で仲良くなっていたので、お互いの性格を知っていて、同じ空間にいなくても画面上でしか会えなくても、和気あいあいと一緒に学ぶことができていた。これがまったく知らない者同士であったら、同じ結果ではなかったと思う。

 危機の二つ目の「秋」は、点数・偏差値が伸び悩んだ時期である。過去問をはじめ、学校別模試が始まって結果が出てきた9月から10月、それをうけて何を頑張るのか考えて実行する10月から11月であった。以前から問題視していた国語と社会の点数が取れない、伸びなくなっていたのである。志望校に合格するにはどうしたらいいのか、I先生と話し合い、スーパー算数を国語に変更し、国語の読解力の強化に努めた。社会は隙間時間に読む地理や統計の本を選んで購入し、読むように促した。 これらの対策のおかげか、最後の模試では点数、偏差値が伸び、自信をもって受験に臨めるようになった。その後も手を緩めることなく、過去問を解きまくっていた。問題を解いて、わからない・覚えていないことを振り返ることを繰り返したことが、おそらく渋谷幕張や筑駒場の合格につながったと 思う。

 受験前日、当日に気をつけたことは、「いつも通り」にすることであった。食事も就寝時間もいつも通りにした。受験の朝は会場に向かう間のルーティンを行っていた。それは、家を出たところからヘッドセットで音楽を聴く、電車の中で社会や理科などの重要事項をまとめたファイルを振り返ることである。そして、会場近くになったら音楽を止めて、TECHの先生方の入試応援Zoomにログインして先生方に会う。これを毎回繰り返した。先生方と話しているときは本当にリラックスしていたように見えた。直接会えた方がもっと良かったかもしれないが、会場前にズラーっと他の塾の先生方が並んでいたら、その雰囲気にのまれて緊張してしまっていたかもしれない。この点においてはコロナ禍であってよかったと思っている。「今日はどんなおもしろい問題に出会えるかな」と言いながら、まるで模試を受けに行くような様子で、息子は試験会場に入って行った。息子は最後まで「楽しく」受験することができたと思う。

 受験が終わって振り返ってみると、きつかったことも楽しかったことも、失敗も成功もあった。受験を通して、息子も私も成長できたと思う。これからも大学受験や資格試験などたくさんの試験や関門があることだろう。しかし、今回のように自分で考えて苦労して乗り切った経験は、必ず将来の糧となると思う。これからどのように息子が飛躍していくのか、楽しみである。私はこれからも息子の未来を見つめながら、必要な支援を続けようと思う。

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 最後に、何かに導かれるように花まる学習会に入会し、Think!Think!、シグマTECHとステップアップし、息子らしく学べる場を提供し続けていただいた高濱先生、I先生はじめ、諸先生方には本当に感謝しています。大変、お世話になりました。これからは生徒・保護者としてではなく、何かの形で先生方のお役に立てたらと思います。今後の先生方のご活躍をお祈り申し上げます。 Kの母より
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「蜃気楼」

Kくん

進学先 筑波大附属駒場中

僕が家庭学習をするうえで大切だと思ったことはまず、“集中力”です。何か考えごとをしてしまったり、ボーッとしてしまったりせず、目の前のものに集中して取り組むことで、同じ時間でできる量がとても多くなるからです。次に、“焦り”です。集中できずに時間がすぎてしまい、このままでは全部やりきれないかもしれないと思ったとき、その一時だけ一気に集中力が上がります。次に、“興味”です。勉強にとりくむ意欲が減ってしまったときは、興味があるもの(勉強系)をはさんで勉強をするとずっと(本当にずっと)勉強をあきずにできます。最後に少し家庭学習からはなれますが“緊張”です。家にいる時間は常にリラックスしています。模試や本番のときにも緊張して、いつもどおりの力を出せなくなるからです。

 次に受験勉強で大変だったことについてかきます。サピックスオープンを受け、その結果から受験校を考えるのですが、一番の志望校が20%と出たときに、もっと真面目に勉強しなくては、と思いました。勉強がしたくないわけではないのですが、いままでの自分の努力を否定されるようで、つらかったです。

 また、つらいことには、進級時の課題の増量があります。それまでのやり方は、まったくとはいきませんが、あまり通用しません。そのときに自分の力の限界が見えたかのように思えてしまい、つらくなります。このようにスランプにおちいったときは、とにかく他のことをすることです。泣くでも、音楽をきくでも、本を読むでも、「あれ?なんでつらいと思ったんだろう」と、自分を冷静に上から見つめ直すことができるのであれば、なんでもいいと思います。そこから自分の中のスイッチを切りかえ、やる気、集中力を向上させることができると思います。

 次に勉強に集中できないときの対処法についてです。そのときはルーティーン(?)をします。深呼吸、音楽をきく、チョコを食べるetc…。そうすると、リセットし、集中しなおせます。また、気をそらす要因をなくすこともとても大切です。目に見え、そして手に届く範囲にスマホなどがもしあったなら、たいていの場合スマホに意識がいきます。そのときには、例えば板を前においたりするだけで圧倒的に変わります。

 次にお勧めの勉強法についてです。わからない問題がでたら、くやしいとき以外すべてとばしています。そうすることで、はやくできるし、頭に入りやすいからです。また、覚えられないときは問題を解くことに専念することもお勧めです。その理由は、インプットとアウトプットの比は3:7ほどにするのが結果的に知識が身につきますが、ほとんどの人は7:3となり、インプット過剰になっているからです。

 次に、多様な本を読むことです。普段から本を読んでいると、テレビのクイズ番組などでも(今僕がしているように)作文を書くときでも、「あっ!確かあの本にこんな情報がのっていたから今使えるかも」と思い出すことができるからです。

 最後に、第一志望の筑駒の合格発表について書きます。僕の中学受験での、最後の合格発表だったこともあり、他と比べてとても緊張しました。他は全て合格だったので、「さすがに全部合格だなんてことが起こるはずはないだろう」と思う反面、「本当に全部合格だったら…」とうきうきしたりもしていました。そして、「合格」ときいたときは、体のいたるところからドキドキと魂がぬけていって、もう何が何だか理解できない感じになりました。学校のテストで満点のものが同時に大量に渡されて、とびはねたとき以上に頭が混乱しました。